Overdoze? 寝過ぎ?

薬の過剰投与・過剰摂取の意味で「オーバードー」って言っているのを良く聞くんですが、その度に「おいおい」と思うのです。今さら変えられないんでしょうけど…できれば止めて。「オーバードー」にしてください。

doseは「用量」「投与量」「摂取量」を表す言葉。発音は [dous]。敢えてカタカナで書くと「ドウス」です。濁らない方の「ス」。

困ったことに、濁った方の「ズ」で終わる別の単語が存在するんですね。doze。発音は [douz]、すなわち「ドウズ」。こちらの意味は「居眠り」。overdoze は「過剰居眠り」ってことになりますね(^^;)。

この「オーバードーズ」というカタカナ語は、残念ながら医療関係では定着してしまっているようです。ちゃんとした医療機関のホームページでもその表記がほとんど。本来の英語発音に近い「オーバードース」は、少数派と言っていいかもしれません。

英語をカタカナ語化する時に「ス」と「ズ」が入れ替わってしまうのは、良くある話です。「ホー」は英語では hose ですが、発音は 濁る方の [houz]。スペルは s なのに発音は [z]。かと思えば、useは動詞の時は「ユー」だけど、名詞の時は「ユー」。ゴミ対策の3Rで「Reduce, Reuse, Recycle」 というキャッチフレーズがありますが、これ、「リデュー・リユー・リサイクル」って読んでますよね?でも、Reduce も Recycle も動詞としてしか使わない単語なんで、Reuse も動詞のはず。そうすると、「リデュー・リユー・リサイクル」じゃないとダメなはずなんです。(ちなみに、名詞で並べるなら「Reduction, Reuse, Recycling」―「リダクション・リユース・リサイクリング」となって、かなり語呂が悪いです。)

「ス」や「ズ」で終わるカタカナ語を英語に戻す時は、発音に要注意。辞書引いて確認しましょう。「オーバードーズ」は日本語です。英語の overdose は濁らせちゃダメです。