二人でレンタル?

気付けば、名前関連の投稿が3つも続いてますね。思いつくままにネタを選んでいるんで、無意識に連想ゲーム的になってたっぽい(笑)。今回は目先を変えてカタカナ語の話でも。

CSとかBSの有料放送には「ペアレンタルロック」って機能がありますよね。事前に親が暗証番号を設定しておいて、子供がうっかり大人向けの番組を見てしまわないようにする機能です。

各局、この機能の説明が時々流されるんですが、昔から英語屋としては気になっていたところがありまして。原稿読んでる方、「ペア」と「レンタル」の間にわずかにポーズいれてません?私の耳には「ペア・レンタル・ロック」と言ってるように聞こえるんです。

最初に聞いた時は、「ペアでレンタル・ロック?なにそれ?2人がかりでレンタルさせないようにするロック?」なんて本気で思ってしまいました。一瞬のうちに考えすぎるタイプなんです、私(^^;)。「なんだなんだ?」と思いながら設定方法の説明を聞いてるうちに、「あ、pair rental じゃなくて parental ね」と気付いたわけです。「親」を意味する名詞の parentに、形容詞化する接尾辞の -al が付いて、parental。「親がかけるロック」ってことで納得。

この parental という形容詞、本来の発音は一般的に [pəréntl]。「ペアレンタル」よりも「パレンタル」に近いんです。なので、私みたいな英語屋や、日本語ができる英語のネイティブスピーカーの頭の中では、「ペアレンタル」というカタカナ語は "pair rental" に変換されやすいのです。「パレンタル」なら parental になりやすいんですが。

名詞の parent は [péərənt]、つまり「ペアラン」なんですけどね。あ、でもアメリカ英語だと [pǽrənt] って発音する人も多いので、「パラン」や「ペラン」も近いか。うーむ、カタカナを交えながら英語の発音を説明するのは、やっぱりとてつもなく難しい…。

parental lock の日本語訳は「ペアレンタルロック」で定着してますから、今さら「パレンタルロック」を広めようなんて気はさらさらありません。ただね、「ペアレンタル」は元の英語が一語なんだから、ポーズを入れずに一気に発音してほしいなぁ、と。惑わされちゃった人が実際にここに居ますので。え?お前みたいに特殊なタイプの人間にまで対応しているヒマはない?ごもっとも…(^^;)。

*今回の投稿では発音記号を使っていますが、表示環境によっては文字化けする可能性があります。その際はご容赦ください。