3つのCの順番は?

テクニカルライティングではClear, Concise, Correct の3つのCが大事、とよく言われます。明快で、簡潔で、正確なライティング。はっきり、短く、正しく。覚えやすくていいフレーズだと思います。

私自身、もう30年もいろんなところでこの3Cという考え方を紹介してきてます。が、Clear, Concise, Correct の順番で紹介するのは少数派で、他の技術英語の先生は Correct, Clear, Concise の順が多いみたいです。「Correct が一番大事なんだから先頭に持ってくるべき」とのことで、なるほどそういう考え方もあるかと。

ではなぜ私は Clear, Concise, Correct の順なのか。なんとなく、です(笑)。特に意識してそう決めたわけじゃないし、いつの間にかそうしていたというだけです。でも、人から言われてちゃんと考えてみました。無意識なら無意識で、その順番が自分にとってしっくり来るなら、何かしら理由があるはずだと。

で、思い当たったのが、自分の作業の順番と一致するということ。翻訳にしろ書き起こしにしろ、英文を書く際はだいたい次の順番で作業しています。

  1. 情報を整理する
  2. 簡潔な英文にまとめる
  3. 正しく表現できているか確認する

情報を Clear にして、Concise な英文にした上で、Correct であるかをチェックする、という段取りな訳です。この順番を入れ替えるのは、無理がありますよね。英文ができていない内に正しいかどうかをチェックすることはできませんし、クリアーになっていなければ簡潔にまとめることもできません。

ということで、無意識の内に重要度順ではなく時系列順を選んでいたのだ、ということに気づいたのでした。

ちなみに、作業時間の配分は重要度順ですね。1. にそこそこ時間を掛けて、2. は割とあっと言う間、3. に掛ける時間がかなり長い、という感じです。3. を適当に切り上げれば、時間にゆとりのある生活ができるんでしょうけどねぇ(笑)。